本末転倒
「本末転倒」皆さん聞いたことあると思うし、一度は口にしたことがありませんか?
 
・学生がアルバイトに専念して、学業を疎かにするのは本末転倒だ。
・学校の試験に備えて早く帰宅したのに、ゲームやアルバイトばっかやっていては本末転倒だ。
・ダイエットで目標体重に達成したお祝いに、ご褒美で美味しいものをいっぱい食べていては本末転倒だ。
・仕事の作業を効率化させる為に本やネットを調べていたが、結果何がいいか分からず何も進んでいないのは本末転倒だ。
などなど。
「本末転倒」とは、物事の根本的なことと些細なことを取り間違えること。
つまり、どうでも良いことにこだわって、大事なことを疎かにしてしまうこと。
 
では、「本末転倒」のその語源にある「本学」「末学」を聞いたことありますか?
「本学」とは人間性・倫理観のことで、「末学」は知識・技術やスキルを学ぶことです。
これからの時代は終身雇用がなくなっていき、若い世代は年金を受け取れるか分からなくなっていき、時代の変化がとても速く、今回のコロナウイルスでの経済崩壊で、これからどうしていけばいいか分からない先行きが不透明な時代となっています。そこで多くの人は英語やプログラミング、士業など知識やスキルを取得していき、これからの社会でも生き残れるように何をすればいいかと考え方がシフトしたでしょう。
一方で、5年後、10年後を考えた時に、自分が持つスキルが必ずしも役に立つとは言い切れません。AIの発達によって、ビジネスにおいての海外の取引は全てAIが代わりとなって会話・交渉をしてくれて、プログラミングも過去のやりとりからデータを分析して、思い通りのコードを書き起こしてくれる。士業も同様だと思います。
では、知識やスキルなど末学は必要ではないというのかというとそうではありません。
むしろこの末学を極めることによって、他者との差別化を図れるので大いに必要だと思います。
しかし、これからの時代においてもっと必要とされるのが、「本学」であり、人間性や倫理観を極めていくことだと確信しています。本学とは、この「人物を育てる學校」の本質でもあり、人間力を身に付け、人格を磨き、道徳や良い習慣を身に付ける学びのことです。
どれだけスキルや知識を持っていても、その人の人間性に魅力がなければ誰も「応援」してくれません。誰も「共感」してくれません。
末学が本学を先行してしまうことを「本末転倒」と言います。
戦前、日本の教育には修身教育というものがありました。そして、その当時の日本は清(中国)に勝ち、ロシアに勝ち、世界を驚かせていました。そして、第二次世界大戦終わると共に教育改革により修身教育が排除されてしまいました。
一方、当時の日本の強さは「修身教育」にあると見た世界各国はその教育を徹底的に学び、蘇りました。
こんな時代だからこそ「人物を育てる學校」で人間力を一緒に磨いていきませんか?